<2018年12月1日掲載>
大阪市で暮らす&働く女性の仕事
ひろこさん
A型、おとめ座
大阪市出身
2015年10月に夫婦でゲストハウス「Beehive Hostel Osaka」をオープン。
夫と長女の3人家族。
まずは、「ひろこさん」の1日をご覧ください。
こちらのゲストハウスは6階建て。
1階がリビング。2~5階は客室(10室)。6階はシャワールームと洗濯機。
それ以外にもトイレや屋上など。掃除をするところがたくさんあります!
それに洗濯物もタンマリ。
掃除担当のスタッフがいる日は「ひろこさん」もゆっくりできますが、そうでなければ、「ひろこさん」がフル稼働。
こうして手助けしてくれるスタッフには感謝です。
掃除が終わるころ、フロント担当のスタッフが出勤。
ひろこさんは、事務作業やスタッフとの打合せと共に、コーヒーを飲んだり、お喋りをしながら、チェックインのゲストを待ちます。
ひろこさんが、保育園に子供を迎えに出かけたあと、ゲストの中国人夫婦が戻ってきました。
この日のスタッフは中国語も堪能なので、みんなで賑やかにお喋りが始まりました。
そして、ひろこさんが子供を連れて、保育園から戻ってきました。
子供の相手をしながら、ひろ子さんも中国語のお喋りの輪に加わって、より賑やかな場に。
みんなが楽しくコミュニケーションをする、これがゲストハウスの良いところなのだなぁと実感させられるシーンでした。
この日の晩御飯は、家族3人、ご近所で外食。
こちらのダイニングバー・シロクマはお洒落な大人の雰囲気ですが、なんとお嬢ちゃんのために「うどん」を用意してくれました。
仕事の拘束時間が長くなりがちな「ひろこさん」にとっては、とても助かるお店の1つです。
ちなみに、近くにあるひろこさんの実家で晩御飯を食べることも多いそう。自宅では旦那さんがご飯を作ってくれることも。みんなが、ひろこさんを支えています。
朝、ひろこさんは、子供を保育園へ送り、仕事場であるゲストハウスに戻ってきます。
そして、メールチェックやお客さんのお見送り、洗い物を始めます。
レンタカーで富士山に行きたいというオーストラリア人のゲストに、いろいろと説明をするひろこさん。
車を借りる場所を指さしています。
もちろん、英語でのやりとりです。
こんな忙しい毎日を過ごすひろこさんの休日は月に1度だけ。その休日も用事があってのものなので、完全にフリーになることはないそうです。小さな子供がいて、自宅の掃除や洗濯物もたくさんあるので、本当に大変ですね。
そんな「ひろこさん」に、いろいろとお話をお聞きしました。
-ゲストハウスをオープンするまでの道のりを教えてください。
大学を卒業して、携帯電話・インターネット関連の会社で営業職を2年やりました。
その後、1年間、台湾へ語学留学をして中国語を勉強し、台北の特許事務所で中国語から日本語への翻訳の仕事を1年半やりました。
そして、日本に戻って、プラスチック部品メーカーの営業事務の仕事をしました。そのときに職場で知り合った主人と2013年9月に結婚しました。
しかし、主人は、大阪から香港に転勤になって、その後も中国・深圳にオフィスが移ったりと先が読めない状況となり、私は私で会社を辞めて香港で専業主婦になったものの時間を持て余しており・・・。
-それで、ゲストハウスを?
いいえ。フィリピンのセブ島に英語を習いに行きました。笑
でも、結婚しているので、2ヶ月だけにしました。
それで、「いつかはゲストハウスをやりたいよね」って話をしていたのですが、主人の中国での職場環境も見通せないので、思い切って日本での物件探しを始めました。遠距離での物件探しは難しかったのですが、家族の協力もあってわりとすぐに良さそうな物件が見つかって。2014年10月に建物を所有することになりました。そして、2015年2月に日本に戻ってきました。
-なぜ、ゲストハウスを?
主人は、学生時代から自転車の旅やゲストハウス巡り、カウチサーフィン(外国などで他人の家に宿泊させてもらう仕組み)をやっていました。
また、私は、家にいろんな人がくる環境で育ちましたし、台湾に留学もしました。
それで、台湾や香港の人達が来てくれれば良いなと思ってゲストハウスを始めました。
-実際にゲストハウスをやってみて、どうでしたか?
まず、建物の改修や、自治体の免許の交付で予想以上に時間がかかったために、予定よりもオープンが遅れました。それで、子供が8月に産まれて、ゲストハウスを10月にオープンしました。
最初は、スタッフがいないので、夫婦二人で全てをこなしました。ゲストハウスで修業をすることもなく、何もわからない二人で。
なので、子供を実家に預けることも多かったですね。今もですが。笑
当初、予約は1対1の対応でした。振り返ってみると、起ち上げの不慣れな私達にはちょうど良かったのかもしれません。オープンから4か月後、予約サイトを使うようになって、お客さんがかなり増えました。
それでも、1年くらいは2人だけで頑張りました。でも、お互いに限界を超えてしまって、しょっちゅうケンカになりました。肉体的にも精神的にも、かなりキツかったんでしょうね。私も、布団の上げ下ろしで腱鞘炎になりましたし。笑
それで、二人で話し合って「スタッフを入れよう」ということになりました。
また、子供を保育園に預けるようにもなりました。
-スタッフを入れてみて、うまくいきましたか?
いいえ。笑
スタッフへの業務伝達が大変でした。いろんな手順が自分達の頭の中にしかないので、結局、自分達でやってしまうことになって。
それでもなんとか2周年を過ぎたころから落ち着いてきました。今では、いろんな手順などをスタッフからスタッフに伝えてもらえるようになりました。
-ゲストハウスのやりがい、うれしいことは?
普段絶対に出会うことがない人に、出会えること。
そして、いろんな人といろんな話が出来ることです。
お土産もいろいろなものをいただきました。
リピーターのゲストで、毎回、私の好きなお菓子を持ってきてくれる台湾人の女性がいます。彼女は「いつか私の家に遊びに来てね」とまで言ってくれます。
それから、必ず「蜂グッズ」を持ってきてくれる台湾人の雑貨屋さんもいます。
-逆に、辛いこと、大変なことは?
部屋で缶ビールを10本飲んで泥酔した台湾女性がいました。部屋を潰したり、階段で寝たり。それで、部屋飲みは禁止にしました。
それから、施設がホテル並みだと思ってくるお客さんは難しいですね。個室になっているので、防音がホテル並みだと思って来られる。でも、ホテルじゃないんです。ゲストハウスは安宿なんです。笑
朝ごはんも、食パン・コーヒー・牛乳だけ。「そういうのなら泊まらなかったのに」と言われると辛いですね。でも、予約時に事前に説明するようになって、この1年半くらいで、そういう方もかなり減ってきました。
それに、それでも良かったと言ってくれる人のほうが多いですし。
あと、英語圏のゲストで、何か不満があるのがわかっているのに、うまくコミュニケーションできないときは歯がゆいですね。もっと、英語がわかれば、どうにかできるのになぁって。
-最後に、ご主人について、ご自由に。
私はどちらと言うと「実務家」で、将来のことは夫が考えてくれます。だからこそ、ぶつかることもあります。「なんで、今、それをやるの?」と言いたくなることが。笑
でも、長い目で見たら(振り返ってみると)それで良かったなぁと思えることがたくさんあるので、そんな二人だからこそ、このゲストハウスが成り立っているんだと思います。