<2018年11月13日掲載>

大阪市で暮らす&働く女性の仕事

タイマッサージ店の開業で婚活の呪縛から解放された女性の話


イマーニタイマッサージの「ゆかさん」
イマーニタイマッサージの「ゆかさん」

 

ゆかさん


大阪市出身

A型/おとめ座

 

短大卒業後、大阪市内のアパレル販売/制作スタッフを経験後、単身沖縄へ。

 

その後、大阪・沖縄・横浜・タイを行き来した末に、イマーニ・タイマッサージ(大阪市中央区)を2012年に開店。

 

夫・長男との3人暮らし。

ゆかさんの1日


イマーニタイマッサージ・朝の支度風景

6:00  起床。1人の時間。ボーっとテレビを見る。

6:30  夫が起床。化粧を始める。

7:00  子供を起こす。朝ごはんをつくる。掃除をする。

 

8:00  家を出る支度。パソコンで予約の確認。

8:20  子供を連れて、自宅を出る。保育園へ。

 

9:00  お店に到着。

店舗の掃除。洗濯。洗濯ものをたたむ。予約の確認。

 

10:30  スタッフが出勤。ミーティング。段取りの確認。



施術中 (お客さまの許可を得て撮影しています)

11:00~17:00  施術、雑用などをこなす。
(月に4~5回はラスト19時まで)



保育園に子供を迎えに行き、帰宅途中に公園に寄って帰るゆかさん

18:00  保育園に子供を迎えに。
近くの公園で子供を遊ばせてから自宅に帰ることも多い。

 

19:30  自宅で夕食。
20:00  入浴。

22:00  子供を寝かせる。


インタビュー


イマーニ・タイマッサージから徒歩数分の菓子工房yamao船場店にて、「ゆかさん」のインタビュー取材をさせていただきました。

大阪市中央区博労町一丁目にある菓子工房yamao船場店


ゆかさんの仕事の略歴 <前半>

大阪 学生 短大卒業。
バイト アパレル販売 2年。
正社員 アパレル制作 2年。パワハラ社長にこき使われる。
沖縄 バイト 民宿、飲食店、喫茶店、雑貨屋で5年。
人付き合いと沖縄ならではの低賃金に苦労する。
横浜

沖縄の喫茶店が横浜でカレー屋を開店することになり、ゆかさんが店長に抜擢され横浜へ。「みのもんた・午後は おもいッきりテレビ」の生中継に出演するも 1年で閉店。

大阪 無職 20代半ばすぎ。将来のために何か資格が欲しいと思う。
タイマッサージを知り、タイで勉強することを決意。
タイ 学校 タイに渡り、タイマッサージの学校に通う。


「ゆかさん」がタイでマッサージの学校に通っていた頃


ゆかさんの仕事の略歴 <後半>

沖縄 バイト タイから帰国後、知り合いが開店させたマッサージ店に呼ばれ、二人で店をやりくり。お客さまに「ヘタクソ」と罵声を浴びせられることも。
大阪 バイト もっと忙しい店で腕を磨くために大阪へ。
マッサージの仕事を掛け持ちし、朝5時まで働く生活を続ける。3ヶ月間 大阪で精一杯働いて、1ヶ月タイでマッサージの勉強をするサイクルを繰り返す。
ある日、大きな病気が発覚するが、手術をすると仕事が出来なくなるので手術を拒絶。
タイ 旅人 自然治癒力を高めようと大好きなタイへ。タイ語学校に通いながら、マッサージの修行を続けるが、現実は厳しく4ヶ月で帰国。
大阪 無職 病気のせいで弱気になり頼れる相手が欲しくて婚活に精を出すが、良縁に恵まれず。
自営 結婚をあきらめ、自分が本当にやりたいタイマッサージ店の開店を決意し、店舗建物の改装などを始める。すると、不思議なことに旦那さまとのお付き合いが。
2012年、イマーニ・タイマッサージを開店
その後、結婚。子供にも恵まれる。


-どうして、タイマッサージ店を始めようと?

 

(ゆかさん) 病気になって、手術はしたくなかったので、自然治癒力を高められないかと思って(笑)、大好きなタイに渡ったのですが、現実は厳しく日本に戻ってきました。精神的に弱っていたので誰かに頼りたくて「婚活」したのですが良い人に巡り合えませんでした。


それなら、もう、結婚はあきらめて、自分の大好きなタイマッサージのお店をやってしまおうと。沖縄へもタイへも黙って行かせてくれた両親を安心させたいという気持ちもありました。

 

 

-ご主人との出会いは?

 

(ゆかさん) タイマッサージ店を始める前に、カレー屋さん(コロンビア8・堺筋本町店)で出会いました。当時、私は、週に1回くらいの頻度でカレーを食べに行っていましたが、主人は週に6回も通っていたので、本当によく会いました。
最初は、単なる知り合いだったのですが、その後、自分でタイマッサージ店を開業しようと決めて準備を始めたら、不思議なことに主人とお付き合いすることになって・・・。そして、タイマッサージ屋を開店して、しばらくしてから結婚したんです。

「ゆかさん」がご主人と出会ったお店・コロンビア8(堺筋本町店)


インタビュー風景
インタビュー風景

-どうして、自分でお店を経営しようと?

 

(ゆかさん) 自分にとって働きやすい良いお店がなかったんです。頑張っているスタッフがお店と揉める光景も見てきましたし。

 

みんなが楽しくやりながら、生活も賄えるお店を作りたかったんです。自分達が楽しくて、人を励ますこともできるお店を。そして、サービス業だからと言って、自分達のプライベートの多くを犠牲にすることなく続けられるお店を。

 

それに、一般的なマッサージ店では、メニューに「ボディマッサージ」と「タイマッサージ」が併記されていて、「ボディマッサージ」の料金のほうが安い。だから、みんな「タイマッサージ」を頼まないんです。料金のせいで。
私はタイマッサージが大好きで、お客さまにもその良さを伝えたい。だから、料金の安いタイマッサージ店を始めました。


ちなみに、開店した頃のイマーニタイマッサージの料金は60分3,000円(税込)。その後、消費税率が上がったため、現在は60分3060円(税込)。それでも、タイマッサージとしては格安です。 


 - この場所に出店したのは?

 

(ゆかさん) 自分が生まれ育った松屋町のお店がどんどん閉まっていく。それをどうにか食い止めたいという思いがありました。

 

それと、自分の両親を見守りたいという気持ちもありました。結婚したら自分の家庭のことで精いっぱいになってしまうけれど、実家の隣にお店を出せば両親の様子もわかるので。

イマーニタイマッサージの近隣風景(松屋町)


-「ゆかさん」の仕事に対する哲学は?

 

(ゆかさん) 「点ではなく線で考える」です。過去があって現在がある。現在があって未来がある。目の前のことだけに捉われてはいけない。例えば、接客をして、「この場が終われば、それでおしまい」という思いでは絶対にダメだと。

 

また、「やってみて、うまく行かなければ、また考える」ことも大事だと思います。

 

-最後に、仕事と育児について。

 

(ゆかさん) ありがたいことに、出産を経て病気が治まりました。

 

それでも、初めての出産なので、仕事と育児が思うようにいかずネガティブな状況となりました。「自分だけで何とか考えてやらないと・・・」と思えば思うほど孤独で辛かったです。

 

しかし、職場や家庭、自治体の方と相談しながら自分のスタイルが見つかっていき、周りの人達の協力を得られるようになってからは力が湧いてきました。

 

このお店の経営者でありながら、こうして夕方に子供を保育園に迎えに行けるのも、周りの人達のおかげです。今は、その大切さを実感しています。「みんな、ありがとう。」

「ゆかさん」を支えてくれる仲間たち

イマーニ・タイマッサージ



イマーニタイマッサージ

大阪市中央区松屋町住吉3-11

 

ホームページはこちら。 

https://imanithaimassage.jimdo.com/